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練馬区で生息中


by atom3
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ビッグイッシュー

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ビッグイッシューという雑誌があります。英国で始まり世界24カ国に広まった雑誌なのだけれど、一つユニークなところが。それは販売者が必ずホームレスの人であると言うこと。

ぼくがそれを知ったのは数ヶ月前のニュースだった。日本では大阪ではじまり、いずれは全国に拡大することを目指すのだということを販売者が、つまりホームレスの方がインタビューで答えていた。

今日、新宿を歩いていると、そのビッグイッシューを売っている人がいた。新宿まで、というか、東京まで進出してきたんだ!200円を払って購入。ボランティア精神とかそういうことを抜きにしても、純粋に雑誌としても面白い方では無いかと思う。人によっては、R25とかフリーペーパーが全盛であることを考えると、200円は高いと思うかもしれないけれど。

毎月なるべく買うようにしようかと思う。

ビッグイッシューの販売はホームレスの人の仕事をつくることを目的にしている。同情心ではなくて、そういった仕組みを助けることは回り回って自分自身を助けることになると思うから。だって、いつ自分がそちら側に行くかもしれないじゃないか?いや、ホント。



で、実を言うとぼくはモームレスになりかかったことがある。それも高校に通っていた十代の頃に。別に家出をした訳じゃないけれど。

その日の朝、家族のそれぞれと別れを告げ、帰る事の出来なくなった家を後にした。よもや、自分の身にそのようなことが起こるとは、当然というかその時まで予想だにしていなかった。起こったことの現実を受け入れることが難しくて、荷物を抱えて朝のファミレスで呆然としていた。

結局、いろいろな人に助けてもらって、すんでの所でホームレスになることは免れたんだ。でもその時以来、人生にはどんなことも起こり得るんだ。全ては蓋然性の問題に過ぎないと、深く実感するようになった。ま、当然のことで、発見でも何でもないのだけれど。(ついでに自分のキャパを超えるような事態に直面すると、人は笑いたくなるのだという事もわかった。テレビや映画で見かける演技は嘘じゃないんだって。)

そんなわけで、ホームレスの人を見るとどうにも他人事とは思えない。

そういえば数年前、衝撃的な光景を見たことがある。12月の寒い日、旅行中の名古屋でのこと。メインストリートの公園で、驚くほど大勢の人が列をなしていた。クリスマスのイベントかとおもった。幸せな光景かと思った。クリスマスの飾り付けが煌めく夜の街で、延々と続く人の列をみたら、そう思わないかな?

でも、それは勘違いで、クリスマスとは全く関係のない救世軍の年末鍋だった。ならんでいたのはすべてホームレスの人達だった。

他人事じゃないのだ、誰だっていつそちら側に行くかもしれないんだ。普段は都合良く忘れているだけなんだ。見えないふりをしているだけなんだ。つくづくそう思う。
by atom3 | 2004-09-04 00:22 | 生活